LAMMPSの計算結果を無料で高速可視化!インストール不要のブラウザビューアー「Forblaze Mol」の使い方

「VMDやOvitoなどの専門ツールを起動する前に、まずは手軽に結果をプレビューしたい」「手元のノートPCでサクッと動かしたい」。そんな場面に最適な、Webブラウザだけで動作する可視化ツール Forblaze Mol を紹介します。

LAMMPSの可視化を「ブラウザだけ」で実現するメリット

従来のLAMMPS可視化ツールは、専用のソフトウェアをPCにインストールする必要がありました。しかし、Forblaze Molは最新のWebGPU技術を使用しており、ブラウザを開くだけで数万原子規模のデータを快適に操作できます。

  • インストール不要: ブラウザがあればどこでも使えます。
  • セキュアなローカル処理: ファイルはサーバにアップロードされず、あなたのPC内で処理されるため機密データも安全です。
  • 完全無料: すべての機能を無料で利用可能です。

1. ファイルの読み込み(複数選択対応)

Forblaze Molを開いたら、まずは「Open Simulation File」をクリックします。LAMMPSの場合、 datadumpinlog ファイルを読み込めます。4つのファイルが必須なわけではなく、いずれかのファイルが欠けていても読み込み可能です。LAMMPSの場合、inファイル以外は単体での読み込みが可能です。

LAMMPS関連ファイルの複数選択・読み込み画面

このツールの特徴は、複数のファイルを一度に選択して読み込める点です。読み込めないファイルは自動でスキップされるため、とりあえず関連しそうなファイルをまとめて選択して読み込ませることが可能です。もちろん、ファイルはサーバにアップロードされず、ローカルPC上で処理されます。

2. ファイル読み込み後の設定

ファイルを読み込むと、アプリが自動的に内容をスキャンして形式を識別します。

LAMMPSファイルの識別・元素マッピング設定画面

必要な情報(元素マッピングなど)が不足している場合は入力を促されますが、基本的な情報はスキャンによって自動補完されます。設定が完了したら「Load」ボタンで3D画面へ移行します。

3. 3Dビューの操作

読み込みが完了すると、3Dビューに原子モデルが表示されます。

3Dビューでの原子モデル表示(LAMMPS)

マウスだけで簡単に、普段使っている3Dソフトと同じような感覚で操作できます。

  • 左ドラッグ: モデルの回転
  • 右ドラッグ: 平行移動
  • マウスホイール: 拡大・縮小(ズーム)

4. アニメーション再生

トラジェクトリデータ(dumpファイルなど)を読み込んだ場合、時間の経過とともに原子が動く様子を確認できます。

アニメーション再生・フレーム操作パネル

右側の情報パネルにある「Play」ボタンをクリックするか、キーボードショートカットを使用して再生・停止(スペースキー)、フレーム移動(左右キー)が可能です。

5. 化学結合の動的表示・切り替え

反応MD(ReaxFFなど)の結果を見る際に重要なのが、結合の生成・開裂の可視化です。

原子間距離に基づいた結合の自動生成表示

情報パネルのBond Mode設定でAuto Dynamicを選択すると、原子間距離に基づいて結合を自動で生成します。Auto Initialの場合は、初期スナップショットで生成した結合を表示し続けます。

6. エネルギー・温度グラフの表示

Forblaze Molは単なるビューアーにとどまらず、LAMMPSの log ファイルを直接読み込んで熱力学量をグラフ化する機能も備えています。dumpファイルと出力間隔が一致している必要はなく、dumpファイルなしで log ファイル単体を読ませることもできます。

logファイルから抽出した熱力学量データのグラフ表示

「Analysis」メニューから「Thermodynamic Plots」を有効にすると、エネルギーや温度、圧力の推移が表示されます。このデータは CSV形式でクリップボードにコピー できるため、そのままExcel等に貼り付けて詳細な解析に回すことができます。

まとめ

Forblaze Molを使えば、LAMMPSの計算結果の確認がこれまで以上にスムーズになります。特に「複数のファイルを投げるだけで自動認識」「logファイル単体でもグラフ表示」といった機能は、日々のシミュレーション効率を大きく向上させてくれるはずです。

ぜひ、お手元のデータでその快適さを体験してみてください。

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