プログラミング不要でハイスループット構築。FBTK CLIツールによる自動化ワークフロー

大量の組成バリエーションを計算したい場合、一つずつ Python スクリプトを書くのは手間がかかります。FBTK CLI ツール を使えば、YAML 形式のレシピファイルを用意するだけで、複雑な分子システムの構築や緩和をコマンド一つで実行できます。

CLI ツールの入手方法

FBTK の CLI ツール(fbtk-buildfbtk-analyze)は、利用環境に合わせて2つの方法で入手できます。

  1. Python 環境に導入する場合: pip install fbtk を実行すると、Python ライブラリと共に実行ファイルがパスの通った場所にインストールされます。
  2. Python 非依存のバイナリを使用する場合: Python をインストールしていない環境やスパコン、CI/CD パイプラインなどで利用するために、独立した実行ファイルを以下のページからダウンロード可能です。

OS ごとのバイナリを配置するだけで動作するため、環境構築の手間を最小限に抑えられます。

ハイスループットな塩濃度スクリーニングの例

例えば、ポリマー電解質において塩の濃度を変えた初期構造を一気に作りたい場合、以下のようなシェルスクリプトで自動化できます。

#!/bin/bash

# 塩(LiTFSI)の個数を変えてループ
for salt_count in 10 30 50; do
    echo "Processing salt count: $salt_count..."
    
    # レシピファイル(YAML)を動的に生成
    cat << EOF > recipe_${salt_count}.yaml
system:
  density: 0.8
components:
  - name: PEO
    role: polymer
    input: { smiles: "*COC*" }
    polymer_params: { degree: 40, n_chains: 6 }
  - name: salt
    role: molecule
    input: { smiles: "[Li+].C(F)(F)(F)S(=O)(=O)[N-]S(=O)(=O)C(F)(F)(F)" }
    count: $salt_count
EOF

    # CLIツールを実行して構造を構築・緩和
    fbtk-build --recipe recipe_${salt_count}.yaml --output cell_${salt_count}.mol2 --relax
done

このスクリプトを走らせるだけで、正確な組成を持つ複数の .mol2 ファイルが即座に生成されます。

レシピの書き方と詳細

YAML レシピの記述方法や、利用可能なオプションの詳細は公式ドキュメントの CLI ガイドにまとめられています。

まとめ

FBTK CLI ツールは、計算環境への導入のしやすさと自動化の容易さを備えた、ハイスループットな構築やバッチ処理を効率化するためのツールです。

FBTK のリソースを確認する

FBTK は pip による導入、またはスタンドアロン実行ファイルとして利用可能です。

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